2009年3月 1日

墨場必携:漢文

     
14hiyo.jpg                                    梅にヒヨドリ 21.2.14 東京都清瀬市

「桃夭」       『詩経』周南

    桃之夭夭 灼灼其華
    之子于帰 宜其室家

    桃之夭夭 有賁其実
    之子于帰 宜其家室

    桃之夭夭 其葉蓁蓁
    之子于帰 宜其家人

   桃の夭夭[えうえう]たる
   灼灼[しやくしやく]たる其[そ]の華
   之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
   其の室家[しつか]に宜[よろ]しからん

   桃の夭夭たる
   賁[ふん]たる其の実[み]有[あ]り
   之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
   其の家室[かしつ]に宜[よろ]しからん

   桃の夭夭たる
   其の葉蓁蓁[しんしん]たり
   之の子于[ここ]に帰[とつ]ぐ
   其の家人[かじん]に宜[よろ]しからん

      
22ume林.jpg                                         梅 21.2.22 東京都清瀬市


「桃花源記」より抜粋   陶潜   

   縁渓行、忘路之遠近。忽逢桃花林。夾岸数百歩。
   中無雑樹。芳草鮮美、落英繽紛。

   ※落英:英は花びら。散る花びらのこと。

  渓に縁りて行き、路の遠近を忘る。忽[たちま]ち桃花の林に逢ふ。
  岸を夾[はさ]むこと数百歩、中[うち]に雑樹無し。芳草[ほうそう]鮮美、
  落英[らくえい]繽紛[ひんぷん]たり。

  渓(たに)に沿って行くうちに道に迷った。ふと桃花の林に出会った。
  川の両岸数百歩の間、その中に桃の木以外の木はない。芳(かぐわ)しい草が
  生き生きと美しく生え、桃の花びらがひらひらと乱れ散っている。

      
15um林.jpg                                         梅 21.2.15 東京都清瀬市


【文例】 和歌

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