2009年1月 1日

墨場必携:散文 うれしきもの

・うれしきもの  まだ見ぬ物語の一を見て、いみじうゆかしとのみ思ふが、残り
 見出でたる。(中略)いかならんと思ふ夢を見て、おそろしと胸つぶるるに、
 ことにもあらず合はせなしたる、いとうれし。(中略)
 はづかしき人の、歌の本末問ひたるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし。
 つねにおぼえたる事も、また人の問ふに、きよう忘れてやみぬるぞ多かる。
 とみにて求むる物見出でたる。(後略)
                        清少納言『枕草子』276段
    
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【文例】 近現代詩

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