2008年12月15日

墨場必携:唱歌・童謡


・クリスマスの晩  北原白秋

  雪の教会、クリスマス
  なんときれいなあのあかり
     なかでおいのりきこえます
     今夜オルガン弾いてます。

  雪の教会、クリスマス
  ここは街角、ふきさらし
     僕はこごえて佇[た]つてます
     なにかしんしんしてきます。

  雪の教会、クリスマス
  星も出ました、あの屋根に
     はいつてみよか、どうしよか
     僕は無いんだ 母さんが。

  雪の教会、クリスマス
  ああら、誰だか出てきます
     マリヤさまではないかしら
     かわいい赤さん抱いてます。
                    『子供之友』昭和8年
    
shim2.jpg                                     20.12.16   霜の朝 東京都清瀬市

・イエス・キリスト  サトウ・ハチロー

    お馬がないて
    目がさめた
    まぐさの桶の
    イエスさま

    泪の路の
    頬ぺたに
    ぽつんとついてる
    からす麦

    起っきしたのと
    マリアさま
    添乳[そえぢ]をなさる
    お母さま

    お馬がないて
    目がさめた
    わらにもぐった
    イエスさま
       『金の船』大正13年                     
                    
【文例】 訳詩・近現代詩

同じカテゴリの記事一覧