2008年11月 1日

墨場必携:和歌  秋の夜 秋深し 残りの秋...


・あしひきの山鳥の尾のしだり尾の
 ながながし夜をひとりかも寝む
              柿本人麻呂『拾遺和歌集』

・天[あめ]の海に雲の波立ち
 月の船 星の林に漕ぎ隱る見ゆ
              柿本人麻呂『万葉集』1068

・さ夜中と夜は深[ふ]けぬらし
 雁が音[ね]の聞ゆる空に月渡る見ゆ
              柿本人麻呂『万葉集』1701

・いま来むと言ひしばかりに
 長月の有り明けの月を待ち出でつるかな
              素性『古今和歌集』691

ariake.jpg                    20.10.22  有明の月 東京都清瀬市
                                  
・おほかたの秋のあはれを思ひやれ
 月に心はあくがれぬとも
              紫式部「紫式部集」

・さびしさやおもひ弱ると月見れば
 心の底ぞ 秋深くなる
              藤原良経「花月百首」

・秋よ今 残りのあはれをかしとや
 雲と風との夕暮れの時
              伏見院「伏見院御集」


【文例】散文

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