2008年6月15日

墨場必携:和歌 『万葉集』4448 橘諸兄...

【文例】

[和歌]
・あぢさゐの八重咲くごとく八つ世にを
 ゐませわが背子見つつ偲[しの]はむ
            『万葉集』4448 橘諸兄

・言問はぬ木すら紫陽花 諸茅等[もろちら]が
 練の村戸[ねりのむらと]にあざむかえけり
            『万葉集』773 大伴家持 
    
・あかねさすひるはこちたし
 あぢさゐのはなのよひらにあひみてしがな
            『古今六帖』夏 3912


                      20.6.8 東京都清瀬市 

・やまがつのかきほにおふるあぢさゐの
 あなあぢきなのよのはかなさや
            『江師和歌集』夏 64 大江匡房

・あぢさゐの花に心のうつるかな
 秋の野原をまちもえなくに
            『拾玉和歌集』1149 慈円

・夏の野はさきすさびたるあぢさゐの
 花に心を慰めよとや
            『林葉和歌集』317 俊恵


                     20.6.8 東京都清瀬市 

・あぢさゐの花のよひらにもる月を
 影もさながらをる身ともがな
            『散木奇歌集』320 源俊頼

・あぢさゐの下葉にすだく螢をば
 よひらのかずのそふかとぞ見る
            『夫木和歌集』夏 3351 藤原定家

・飛ぶほたる日かげみえ行く夕暮れに
 猶色まさる庭のあぢさゐ
            『夫木和歌集』夏 3352 衣笠内大臣


                    20.6.14 世田谷区梅丘

・あぢさゐのよひらすくなき初花を
 ひらけはてずと思ひけるかな
            『夫木和歌集』夏3354 信実朝臣

・夏も猶心はつきぬあぢさゐの
 よひらの露に月も澄みけり
            『夫木和歌集』夏3350 釈阿(藤原俊成)


                    20.6.14 世田谷区梅丘

同じカテゴリの記事一覧