2008年5月15日

墨場必携:和歌 小野小町『古今和歌集』552...

【文例】

[和歌]

・思ひつつ寝ればや人の見えつらむ
 夢と知りせば覚めざらましを
     小野小町『古今和歌集』552


・うたたうねに恋しき人を見てしより
 夢てふものは頼みそめてき
     小野小町『古今和歌集』553


・いとせめて恋しきときは
 むばたまの夜の衣を返してぞ着る
     小野小町『古今和歌集』554


・命にもまさりて惜しくあるものは
 見はてぬ夢の覚むるなりけり
     壬生忠岑『古今和歌集』609


・世の中は夢か現[うつつ]か
 現とも夢とも知らず ありてなければ
     詠み人知らず『古今和歌集』942


・仏は常に在[いま]せども 現[うつつ]ならぬぞあはれなる
 人の音せぬ暁[あかつき]に ほのかに夢に見え給ふ  
            「梁塵秘抄」巻第二 法文歌 佛歌(26)

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