2008年4月15日

墨場必携:唱歌・童謡 鳥の声[こゑ]...

[唱歌・童謡]

・鳥の声[こゑ]

1 鳥の声 木ぎの花 野辺にみちて
  かすみけりな のどかなる春の日や

2 むしの声 露のたま 野辺にみちて
  ゆくもゆかれず きよらなる月の夜や
                  『小学唱歌集 第二編』(明治16年)

・花鳥  作詞者未詳
 
1 山ぎはしらみて 雀はなきぬ 
  はや疾くおきいで 書[ふみ]よめわが子
  書よめわが子
  ふみよむひまには 花鳥[はなとり]めでよ

2 書よむひまには 花鳥めでよ
  鳥なき花咲き 楽しみつきず
  楽しみつきず
  天地[あめつち]ひらけし 始[はじめ]もかくぞ
                  『小学唱歌集 第三編』(明治17年)


・野の鳥   野口雨情

  野の鳥ことり
  かあいがつておやり
  ちつちとないて
  飛んでとんで歩く
 
  小藪の蔭は
  風吹きや寒い
  小藪の蔭は
  雨降りやぬれる



・たんぽぽ    北原白秋

  沼の田べりのたんぽぽは
  たんぽぽは
  咲けばざぶりと波が来る
  たんぽぽたんぽぽ波が来る
 
  沼の田べりのたんぽぽよ
  たんぽぽよ
  咲けば子供が舟で来る
  たんぽぽたんぽぽ舟で来る


・たんぽぽ    野口雨情

  たんぽぽの花
  ふうわり ふわり
 
  一本目の花は
  日傘をさした

    日傘をさして
  風ん中飛んだ
 
  二本目の花も
  ふうわり ふわり
 
  風ん中飛ぶに
  日傘をさした
 
  日傘をさして
  風ん中飛んだ




                    20.4.9 東京都清瀬市

・のどか   久保田宵二

  ゆらゆらゆらら
  春日[はるび]はかげろひ
  さみどりの麦畑[むぎはた]に
  鍬[くは]ふる人ものどか

    ゆらゆらゆらら
  春日はかげろひ
  雲雀[ひばり]なく河岸[かぎし]に
  ゆらぐ小舟ものどか
  のどかのどか
  山かひの菜の花の里を
  汽車のかくれつ


・花すみれ    吉丸一昌

  わたしは花よ 菫[すみれ]の花よ
  春の野原に 小首[こくび]傾け
  寂しやひとり たゞすみれ草[ぐさ]
  いざ来[こ]よされど 静かに歩め
  摘むをねがひの わが身なれども
  足に踏まれて 泣くのは厭よ


・かちかち山の春   北原白秋

  かちかち山の花すみれ、
  狸は火傷で穴ごもり。
 
  兎の大工は船つくり、
  小川のやなぎも芽を吹いた。
 
  雨ふりや爺さんさびしかろ、
  お臼のうしろで矮鷄が啼く。
 
  日が照りや鍛冶屋がカアンカン、
  お寺ぢや甘茶の花祭。
 
  兎はせつせこ、鉢卷だ、
  それでも土舟まだできぬ。

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