2008年3月15日

墨場必携:散文 『源氏物語』若紫 北山の春...

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[散文]

・明けゆく空はいといたう霞みて、山の鳥どもそこはかとなうさへづりあひたり。
                      『源氏物語』若紫 北山の春

・ほのぼのと明けゆく朝ぼらけ、霞の間より見えたる花のいろいろなほ春に
 心とまりぬべく匂ひわたりて、百千鳥のさへづりも笛の音に劣らぬ心地す。
                           『源氏物語』御法


・こなたかなた霞みあひたる梢ども錦を引きわたせるに、御前の方ははるばる
 と見やられて、色をましたる柳、枝を垂れたる、花もえもいはぬ匂ひを散ら
 したり。                      『源氏物語』胡蝶

【文例】 近現代詩

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