2008年3月 1日

墨場必携:和歌 『古今集仮名序』...

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[和歌]

・難波津[なにはづ]に咲くやこの花冬ごもり
 今は春辺[はるべ]と咲くやこの花
     『古今集仮名序』作者未詳
◎「花」は梅の花とするのが通説。


・石[いは]そそく垂氷[たるひ]の上[うへ]の早蕨[さわらび]の
 萌え出づる春になりにけるかな
     志貴皇子(しきのみこ)『和漢朗詠集』15


・わが背子が衣はるさめ降るごとに
 野辺の緑ぞ色まさりける
     紀貫之『古今和歌集』25


・人はいさ心も知らず
 ふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける
     紀貫之『古今和歌集』42


・空寒み花にまがへてちる雪に
 すこし春あるここちこそすれ
     『枕草子』106段


・折[を]る人の心に通[かよ]ふ花なれや
 色には出でずしたに匂[にほ]へる
     『源氏物語』「早蕨」匂宮作
◎紅梅を詠んだもの


             20.2.28東京都小金井市小金井公園

【文例】 散文

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