2012年4月 6日

墨場必携:漢詩 庚辰春日作 清明


     
0325河津桜8023.jpg                                      河津桜 24.3.25 東京都清瀬市

  「庚辰春日作」    江馬細香  

     小閣眠驚此時情
     春光藹藹近晴明
     風前一樹如糸柳
     裊裊未堪能著鶯

     
0404桜1006.jpg
                                   ソメイヨシノ 24.4.4東京都清瀬市

      小閣に眠り驚(さ)む 此の時の情
      春光藹藹(あいあい)として 晴明近し 
      風前一樹 糸の如き柳
      裊裊(でうでう)として
          未(いま)だ能(よ)く鶯を著(つ)くるに堪へず


    小閣:小さな建物。
    晴明:二十四節気のひとつ。「春分」の次の節気にあたり、
       平成24年の清明は4月4日。
       『暦便覧』に「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草と知れる
       なり(万物がすがすがしくあきらかであって、若い芽をこれは何の
       草と看て取れる)」とある。
    裊裊:たおやか、しなやか。木が風にゆれるさまに用いられることが多い。
    著鶯:鶯を(枝に)とまらせる
    
     
0325ダイサギ7780.jpg                                     ダイサギ 24.3.25 東京都清瀬市

      小さな建物でまどろみから醒める この心地よさ
      穏やかな春の光が満ちて 時は清明に近づいた 
      春風にひと本 糸のような柳
      たおやかに揺れて まだ鶯がとまるにも堪えない

      
メジロ8686.jpg                                      メジロ 24.3.27 東京都清瀬市





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