2011年12月 2日

墨場必携:漢詩 歳晩

    
1210月6321.jpg                                            23.12.10 東京都清瀬市
      
   歳晩        中巖圓月

    歳晩天寒處
    風清月白時
    長吟乗逸興
    獨坐歎幽姿
    世事那堪説
    人生自有涯
    目前如可遣
    身後不須期

      歳晩(さいばん) 天寒き処(ところ)、
      風清く 月白き時。
      長吟(ちやうぎん) 逸興(いつきよう)に乗り、
      独坐(どくざ) 幽姿(いうし)を歎ず。
      世事(せいじ) 那(な)んぞ説くに堪へん
      人生(じんせい) 自(おのづか)ら涯(かぎり)有り
      目前(もくぜん) 如(も)し遣(や)るべくんば
      身後(しんご) 期(き)するを須(もち)ひず

    
1204紅葉5730.jpg                                            23.12.4 東京都清瀬市
      歳は暮れ 気候は寒くなり、
      風は清く 月は白い光を放つ時。
      長い息で詩を吟じて 世俗を離れた楽しみに興じたり、
      独り坐って 世を避けたひそやかな姿を振り返って溜め息をついたりする。
      この世のことなどどうして言いつくせようか。
      人の命にはおのずと涯(かぎ)りがある。
      目の前のことを思い通りにしおおせたら、
      死んだ後のことなど もう心に懸けない。

          
1204翡翠5656.jpg                                            23.10.9 東京都清瀬市



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