2011年9月15日

墨場必携:漢詩 八月十五夜月前話舊


    
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   八月十五夜月前話舊各分一字
   [八月十五夜(はづきもちのよ)に月前に舊(むかし)を話(かた)る、
    各(おのおの)一字を分かつ]       菅原道真

     秋月不知有古今
     一條光色五更深
     欲談二十餘年事
     珍重當初傾蓋心

       秋月(しうげつ) 古今(ここん)有ることを知らず
       一条の光色(くわうしよく) 五更(ごかう)深し
       二十餘年(はたとせあまり)の事を談(かた)らんと欲するに
       珍重(ちんちやう)す
         当初(そのかみ)蓋(きぬがさ)を傾(かたぶ)けし心を

       有古今:「古今」昔と今、に「有」は違いがあること。
           「不知有古今」は昔と今に違いがないこと。
       五更:「更(こう)」は夜の時間を区切って呼ぶ単位。
          深夜の零時は「三更」に属する。「五更」は午前四時頃。
       珍重:ここでは書簡語。お大事に。ありがたい。忝ない。などの
          挨拶に用いる。
    
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       秋の月の光は 今も昔も変わりがない
       ひとすじの月光の色は清らかに冴えて 夜は五更も深くなった
       二十年あまり前の 子供のころのことを 語ろうとするにつけ
       あのころ 君といつもしたしく分かちあった心は ありがたいこと

   
0913ハンタージュニア5250.jpg                                 仲良しの子供猫 23.9.13 東京都清瀬市



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