2011年8月26日

墨場必携:漢詩 夏日睡起

     
0814蝉2017.jpg                                          23.8.14 東京都清瀬市


   夏日睡起(かじつねむりよりおく)     館柳湾(たち りうわん)

     獨臥風牀睡味長
     醒來殘日下西墻
     門前時有賣蟲過
     一擔秋聲報晩涼

       独り風牀(ふうさう)に臥すれば睡味(すいみ)長く
       醒め来たれば残日(ざんじつ)西墻(せいしやう)を下る
       門前 時に蟲を売り過ぐる有り
       一担(いつたん)の秋声 晩涼(ばんりやう)を報ず

     風牀:風の吹き入る寝床。
     長:=善、よい、優れている。
     墻:本来は土塀。我が国の詩の場合は垣根。
     一擔秋聲:ひと担ぎの虫の声。
          鈴虫などを売る虫売りは、虫籠を積んだ担ぎ屋台を担いで商う。

     
0820百合2710.jpg                                            23.8.20 東京都清瀬市

      ひとり風の吹き入る寝床に横になっていると
                     睡りの味はよいものだ
      目覚めると 夕日は西側の垣根に落ちている
      門前を虫売りが通り過ぎ
      担いだ荷から秋の声が 夕暮れの涼しさを報(つ)げる

     
0815夏花2195.jpg                                          23.8.15 東京都清瀬市


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