2011年1月20日

墨場必携:漢詩 冬夜長


      
15鴨.jpg                                          23.1.15 東京都清瀬市

   「冬夜長(とうやながし)二首 」   釈良寛

     老朽夢易覚
     覚来在空堂
     堂上一盞燈
     挑尽冬夜長

     一思少年時
     読書在空堂
     燈火数添油
     未厭冬夜長

      
9月.jpg                                          23.1.9 東京都清瀬市

     老朽(らうきう)夢覚め易し
     覚め来たりて空堂(くうどう)に在り
     堂上一盞(いつさん)の燈(ともしび)
     挑(かか)げ尽して冬夜長し

   老いの身は眠り浅く、目が覚めやすい。
   覚めてひとり、がらんとした部屋にいる。   
   室内には一基の燈火。
   燈心が燃え尽きるまで過ごしても、なお明けない冬の夜の長さよ。

     一たび思ふ少年の時
     書を読みて空堂(くうどう)に在り
     燈火数(しばし)ば油を添へ
     未(いま)だ冬夜の長きを厭はざりしを
 
   ふと思い出す少年の日のある時。
   夜人気(ひとけ)のない部屋で本を読み、
   燈火の油をしばしば注ぎ足しながらも、
   冬の夜の長いことが少しも苦にならなかったのを。

     
散歩朝日.jpg         朝日を浴びる親子

      
ひたち雑誌2.jpg         なに?    "シマネコマガジン"



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