第六回 比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展

2017年11月30日

11月25日(土)、比田井天来・小琴顕彰 佐久全国臨書展が始まりました。まずは

開会式のテープカット。左から実行委員長吉川徹さん、教育長楜澤晴樹さん、石飛博光先生、佐久市長栁田清二さん、佐久市議会議長高橋良衛さん(ハッピの文字は石飛博光先生)、比田井天来生家の比田井恭子さん、そして長野県書道展審査会員の加藤春暉先生。

この写真、テープカットの絶妙のタイミングを捉えているでしょ? 実は、動画からとったスクリーンショットです。

 

表彰式の様子です。舞台の右はお客さま。清秘蔵の早川さん、匠出版の澤田さん、仿古堂の井原さん、そして墨運堂の竹内さん。ありがとうございました。左は市長と当番審査員の先生方です。

右端で司会をしてくださったのは、長野県佐久市地域おこし協力隊望月地域担当の石田諒さん。決して目立たず、間違えず、プロのお仕事をしてくださいました。みんな安心してまかせています。

石田さんのFacebook  臨書展審査の模様

会場の外には地元のお店が並びます。

天来最中の喜月堂さん。天来饅頭の木村屋さん。やぎのチーズ、Tenraiのチーズ工房ボスケソさん

佐久市内で出店希望のお店は、ぜひぜひお申し出ください。(多くなりすぎなければ大丈夫だと思います)

左に見える清秘蔵の早川さんは、書道用品と書籍を販売してくださいました。

 

臨書展の特別賞受賞作は、印刷屋さんからデータが届き次第、天来書院ホームページでご紹介する予定です。会場で撮影できたもの(あまりうまく撮影できませんでしたが)のみご紹介します。

右から三点は一般部の天来賞受賞作品。「顔真卿祭姪文稿」「空海灌頂記」「木簡」。

続いて佐久市長賞「中秋帖」と「金文」、もう一点「雁塔聖教序」は撮影できませんでした。ごめんなさい。

小琴賞は二点です。「寸松庵色紙」と「小島切」。画像は少々お待ち下さい。

 

続いて小学生と中学生の天来賞。お子さんだって、臨書できるんですよ。一つだけ指導する先生にお願いしたいことがあります。それは、先生が臨書したものをお手本とするのではなく、ぜひぜひ、直接原本から臨書するように指導してください。びっくりするような傑作ができるかも。

天来賞を受賞した作品のみ、こんなふうに表具してくれます。いい記念になりますね。

 

1Fの特別展示は「比田井天来の書碑」。右から「佐川直諒墓碑陰(明治38年)、「浜口雄幸墓」(昭和6年)、「慰霊之碑」(碑陽と碑陰・昭和13年)、「松方正義墓」(大正13年)、「松田南溟夫妻の墓」(昭和4年)。

 

 

右は「功労碑」(昭和13年)。北海道登別温泉にあります。扁額をはめこんだように枠取りをした中に、みずみずしい筆跡が浮き出しています。登別温泉にはほかに「瀧本栗林二翁頌徳碑」が建っています。

真ん中は「馬頭観世音」、天来生家の裏山の頂き近く、長者ケ原と布施への分岐点を示す道標として建てられたもの。天来の名前はありませんが、天来の若書き(明治27年・24歳)と伝えられています。

左は「佐藤先生頌徳碑」(昭和7年)。長野県小諸高等学校学校長、長野県視学等を経、信濃教育会会長に選出された佐藤寅太郎先生。信濃教育会を主宰すること満二十年を期して建てられた碑です。

 

翌日は、慶徳紀子先生による、かな書道の講義と実技。最初にかな料紙の講義があり、紋様や色で天地を見極めるのはあたりまえですが、飛んでいる雁金の姿で紙の上下を知る、というのにはびっくり! また、梅が描かれた料紙には、梅ではなく、たとえば鶯の歌を書きます、というお話に、先生の厳しい姿勢を感じました。

その後は、作品をたくさん書いてくださいました。万葉集や古今集、徒然草、枕草子、その他、かなの世界を満喫した90分(くらい)でした。Facebookには、参加した方々の動画がいくつかあがっていますよ。

 

その後、お昼をいただいて「天来自然公園」へ。冬枯れの風景も又いいものです。石碑に貫禄が出てきました。

 

今回ご参加くださったみなさまと記念撮影。すっかり親しくなりました。

 

 

 

天来自然公園からは、のどかな田園風景が見られます。右下に天来生家。続いて向かい側の高台へ移動すると、晩年の名碑「慰霊之碑」があります。

 

「慰霊之碑」の大きな字。太い部分には握りこぶしが入ります。

 

碑陰は同郷の名医、岡田対山先生を称える文章が行書で書かれています。天来がこれを書いたのは昭和13年1月。同年2月には帝大病院に入院し、手術を受けますが、8月末再入院、11月以降は鎌倉に移り、静養のかたわら「天来老人」「画沙老人」という落款のある二十数枚の額幅や「放送会館」などを書き、翌年1月4日に他界。記念すべき石碑といえます。

 

上は、慰霊之碑からの眺めです。ほぼ正面の山の手前に天来生家や天来自然公園があります。

 

11月25日と26日は、本当に充実した二日間でした。地元NPO未来工房もちづきのみなさん、心のこもったおもてなし、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。これを読んでくださっているみなさん、来年はぜひぜひご参加くださいね♡

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書道