毎日パソコンに向かっていると、広々とした風景を見たくなります。小樽へ行った翌日、積丹半島へ行きました。美国でバスをおりて、まずは名物ウニ丼。
すばらしく美味しい(高価な)ウニ、しかもアワビものっていましたが、なぜどんぶり? ウニとご飯って、そんなにあうかな(お酒だろ)。といいながら食べてる。
こちらはコウナゴとイカとウニ。これならご飯にあいます。で、気を取り直してバスに乗ります。
着きました。終点の神威岬。
な、なんという美しさ♡ 果てしない青い水面で、銀色の無数の粒が踊っています! (パソコン画面に似ているなんていわないでね)
女人禁制の地、神威岬。ここから突端まで歩きます(の予定でした)。
青空をうつして、積丹ブルーの海が拡がります。波打ち際のエメラルドグリーン、沖では濃いブルー。無数の波がひだを作り、水平線に消えていきます。
ムー教授いわく、あの先っぽの灯台まで行くよ。私。うそ! 無理! だいたい眼下の歩道橋(という名前でいいのか)が渡れない(私は高所恐怖症なのである)。一人でいってらっしゃーい。さっきのベンチのところで待ってるからね。まったくもう(ムー教授)。
ここだって十分きれいです。
黒く見えるのは念仏トンネル。灯台守の奥さまが危険な道を通って足をすべらして亡くなってしまい、トンネルを作ろうとしたのですが、向う側と手前側と両方から掘っていって、なぜかずれてしまいました(涙)。で、互いに念仏を唱えながら進んだら、うまく行き会ったというわけでした。待っている間にお勉強お勉強。
おっ、戻ってきた。
ムー教授が撮影した突端(ふつーは先端という)から見た積丹ブルーの海と神威岩。美しいですねえ。(のんきなもんだ) 水の深さがブルーのグラデーションとなって、揺れています。
帰るか。
今夜のお宿はここ、美国観光ハウス。ミシュラン二つ星の旅館です。なんというさっぱりした外観。
ここが入り口。どこぞのホテルのように目立たずひっそりと、風景に溶け込んでいます。
二つ星の料理旅館。どんなお料理が出るのでしょう。
まずはいつもの、かんぱーい。
お料理はですね、すばらしかったのです。珍しい食材を使うわけではないのですが、組み合わせや火の入れ方が絶妙です。
これは真つぶ貝とクレソンのウニアワビの肝ソースあえ。クレソンですよ、クレソン! 独特の爽やかな苦味が効いています。そしてウニアワビの肝ソースですよ、ウニアワビ! 右は南蛮海老のタタキとイカとホタテの塩ウニあえ。
前菜三種は左からもずくのおろし和え、マスとゆでエビの柚子味噌和え、ウニの卵寄せ。
お造りは蛸の湯引き、迷い鰊、〆鯖、ボタンエビ、メジマグロ、八角、そしてヒラメの昆布締め。左の蛸の湯引きに添えられたかぼすを絞ると、ふわーっと漂ういいにおい。
そしてイクラ、モイの煮凝りとシシトウ。
何か抜けてる? 真ん中の二つでしょ。これからです。
積丹はウニの名産地。右は塩水ウニです。ウニは空気に触れると痛んでしまうそう。漁師さんから塩水につけて入ってくるので、味を変えてつけなおすのだそう。すばらしく美味です。
そして感動したのが左のアワビの水貝。氷でしめるその締め具合が絶妙なのです。こりこりしていて、かたすぎない。さくさく、といっていいくらいです。どこぞ旅館で出るような「踊り焼き」なる「客任せの手抜き料理」とは次元がちがいます。それはそれは美味。感動しましたね。
揚げ物も手が込んでいます。素材は・・・(もらった「今日の献立」に載っていない・汗)。こほん。真ん中はミニトマトでしょ。右手前は多分そらまめ。その向うは鰤(とてもおいしい味がついていたので覚えている)、エビの頭と足。あとはいろんな野菜(汗)。衣が薄くてカラッとあがった、誇り高い天ぷらです。(このあたりで、すでにおなかいっぱいになってきた)
宝楽焼きはあわびのたれ焼き、ボタンエビの塩焼き、帆立貝の塩焼き、青つぶのたれ焼き。それぞれにふさわしい味付けで、焼き加減も絶妙。ですが、だんだん苦しくなって、エビを一本だけ残した気がする。(飲んでるし)
へらがにのお味噌汁。蟹の出汁がきいていて、中に細〜い布海苔が入っています。ご飯は? 無理です!
デザートはふだんは食べないのですが、食べちゃいました。自家製のアイスクリームはバニラと抹茶。
どれも特別に高価な材料を使っていいるわけではないのですが、お料理名人が心を込めて、細心の注意を払って、決して月並みではない新鮮な味に仕立てられたご馳走です。
翌日の朝ごはんもすばらしい! ほうれん草と油揚げの煮浸し、シラタキとしめじたらこ炒り、小女子の佃煮、イカの塩辛、甘エビと昆布の佃煮。
ホッケの味噌漬け焼きと卵焼き、新じゃがサラダ。
いろんな新芽のサラダと真いかのお刺身。
最後は、夕べ「ウニ丼」「イクラ丼」「ウニイクラ丼」の中から選んでおいた「ウニイクラ丼」。見てください、イクラの美しいこと! 積丹ブルーに匹敵します(むちゃくちゃ)。
すばらしい旅館でした。必ずまた来ます。皆さんにもおすすめします。(ちょっと遠いけど)