2011年3月27日

吉野大巨先生の個展

作品1s.jpg
去年の天来祭りで席上揮毫をしてくださった吉野大巨先生の個展が、今日まで東京銀座のセントラル美術館で開催されています。



昨日拝見してきましたので、その様子をご紹介します。

吉野大巨展会場.jpg会場はこんな感じ。吉野先生が主宰する「雙暢書道会」の第20回展も併催されています。
22日に祝賀会が予定されていましたが、震災の直後なので急きょ中止になりました。でも、会場には、のびやかで充実した作品が所狭しと並んでいました。

作品1.jpg華という字が季節ごとに書き分けられています。右上は冬で雪原の凛とした冬木立、その下は色づく春、左下は夏の夜に蛍が飛んでいるイメージ、左上は冷たい風が吹き始めた高原の秋です。

作品2.jpg右下に「日々是好日(ひびこれこうじつ)」とありますね。それを古代の字体で書いたのが大きい文字。丸の中にちょんと点がうってあるのが「日」という字です。太陽の象形文字。

作品3.jpg寿雲。雨冠の中に雨のしずくが24もあります。こんな風に、昔は点が4つとは限らなかったんです。楽しいでしょ。

作品4.jpg
圧巻なのはこの作品。漢時代の画像石にある雲の文様に囲まれて、「自天降福千万年」と「四海人民頌太平」。おめでたい言葉が見事なスケールで書かれています。
作品の右には山口志峯先生、吉野大巨先生、右端は弘前から駆け付けた(飛行機だけど)松本大拙先生です。こうして人が立っていると、作品の大きさがわかります。

そしてお土産にくださったのは

天来作品と封筒.jpgなんと、比田井天来の作品の複製でした。
こうして天来を顕彰してくださって本当にありがたい限りです。ご自身の師、桑原翠邦先生、そしてその師であった比田井天来という書の源を常に大切にすることってすばらしいですね。書の将来は安泰だ。そんな風に感じました。

大震災の爪痕は巨大なものですが、将来へ向けて行動をしていかなくちゃいけないと感じた一日でした。

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