2010年9月 8日

魔法の時間 第9回 父のこと

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何度も書いたように、私は母方の祖父母の家で生まれ、育った。

"魔法の時間 第9回 父のこと" つづく

2010年8月10日

魔法の時間 第8回 葉山の家(続き)

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 葉山の家にいるとき、誰もが横浜とは違う雰囲気を漂わせていた。横浜では別々に生活していても、葉山に来るといっしょの時間を過ごすことが多くなるのだ。

"魔法の時間 第8回 葉山の家(続き)" つづく

2010年7月 9日

魔法の時間 第7回 葉山の家

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「ああ、いい風だこと。海のそばは違うわねえ。」最初のトンネルを抜けると、誰かが必ずそう言った。

"魔法の時間 第7回 葉山の家" つづく

2010年6月14日

魔法の時間 第6回 母のこと

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 幼い子どもはなぜ母親を、こんなにも好きなのだろう。なぜいつも、母親といっしょにいたいのだろう。母親のそばで、いろいろな話をしたいのだ。夜もいっしょに寝ていて欲しいのだ。まるで自分の体の一部ででもあるかのように。

"魔法の時間 第6回 母のこと" つづく

2010年5月17日

魔法の時間 第5回 港の見える丘

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私の家は、横浜の外人墓地のすぐ下にあった。南側一帯は、今は整備されて元町公園と呼ばれているが、私が子供の頃は素朴な遊歩道があるだけだった。遊歩道は今もそのまま残されているが、途中で港が見える場所にベンチがあったり、一段低い場所に広い弓の道場があったり、なかなか楽しい道だった。木々が生い茂り、少しひんやりした。

"魔法の時間 第5回 港の見える丘" つづく

2010年4月16日

魔法の時間 第4回 幼稚園

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今の私からは想像もつかないことだが、幼稚園から小学校低学年の頃、私は食が細かった。

"魔法の時間 第4回 幼稚園" つづく

2010年3月12日

魔法の時間 第3回 いろおんぷ

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私の親は、私に書の練習をさせなかったが、書以外の習い事はたくさんやらせた。バレエに英会話、絵画、ヴァイオリンなどだったが、中でも一番期待していたのはピアノだったと思う。

"魔法の時間 第3回 いろおんぷ" つづく

2010年2月12日

魔法の時間 第2回 三角の目

 ある日、私は怒っていた。小学校に上がる前だったと思う。母は、多分約束を破ったのだと思うが、私をなだめるために、冗談を言ったりして気をそらせようとしていた。

"魔法の時間 第2回 三角の目" つづく

2010年1月13日

魔法の時間 第1回 内村鑑三の命名書

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朝、まだ暗いうちに目が覚めることがある。
不思議に鮮明な意識の中、おぼろげに立ち上る、ほの白い一片のかたまり。それは、まるで呼吸をしているようにゆらめきながら、私を誘うように変容を続ける。そしてふいに、今まで考えてもいなかった光景が、あざやかなイメージとなって私の心を満たしてしまう。
それは、神様がくれる魔法の時間。

"魔法の時間 第1回 内村鑑三の命名書" つづく