2009年3月19日

液体墨には二種類あります

液体墨s.gif
昔は墨汁といいました。あまり質のよいものではありませんでしたが、研究が進み、1980年代から、専門家も使える高級な液体墨が販売されています。

液体墨の進化を促した要素の一つに「合成糊剤」の開発があります。

液体墨.gif代表的なメーカーの液体墨を三種類のせました。一番右は「にかわ」を使ったもの、真ん中と左は「合成糊剤」を使った物です。
合成糊剤の問題は、筆を洗わないで固めちゃうと、なかなか墨を落とせなくなること。糊ですもんね。
それからメーカーの話では、合成糊剤を使うと、ちょっと書きにくいそうです。でも、表具には問題がありません。
にかわを使ったものはのびがよく、書きやすいのですが、腐敗をふせぐためにかなりの塩が入っているため、そのまま表具をすると墨が散るんですって。だから表具屋さんに、にかわを使った液体墨を使ったと言いましょう。

ちなみに、液体墨の賞味期限は、にかわを使ったものは二年、合成糊剤を使ったものは五年だそうです。

どっちにしろ、液体墨を使うと、みんな一緒の墨色になりますよね。臨書や練習はいいけれど、展覧会で発表するときは、自分ならではの墨色で、つまり固形墨を磨ってほしいな、って思います。

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