2009年3月 9日

「通用門」の筆者は

通用門ss.jpg 右法さまのブログ「書逍遥」をよく拝見しています。一つ前に「通用門」という記事があるのですが、すごい事実が発覚しましたのでご紹介します。




私も、いい字だなーって思っていました。
先週木曜日、日野俊顕先生の連載「中林梧竹の書」をアップした後、日野先生とお話ししていたら、あれは実は30年以上昔、私が書いたんですよ、とおっしゃるんです。
えーーーーっ。と驚く私に、そのときの事情を話してくださいました。

中学校で物理学(ですよね)を教えていらっしゃった先生は、校長先生から、「通用門」という字を、さる著名書家に書いてもらうように指示されたそうです。その方に会いに行ったら、ただではだめだといわれ、その旨を校長先生に話したら、お金を払ってもよいというので、書いてもらったそうです。そうしたら、な、なんと、校長先生がその字を気に入らない。
で、君が書きなさい、というので、日野先生が書いたら、校長先生が気に入って、採用されたのですって。

派手ではないけれど、すみずみにまで気持ちが行き届いていると思います。書に対する見識の高さ、慈愛に満ちたお人柄を感じさせるよい書ですね。

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