書道手本 王羲之の書
これは「郡」という字です。おしゃれでしょ?
「王羲之の書」にのっています。
「王羲之の書」にのっています。
書の歴史の中で、最高の書家は王羲之(おうぎし)。「蘭亭序(らんていじょ)」や「集王聖教序(しゅうおうしょうぎょうじょ)」など、お手本がたくさんあります。
「蘭亭序」だけを何年も書くという勉強の仕方もありますが、たくさんの名品を勉強するのが比田井天来流。
前に、王羲之の本当の名品は法帖(ほうじょう)にあると書きましたが、一口に法帖といっても、それはそれはたくさんの種類があるのです。王羲之の同じ書が、いろいろな法帖に刻されているので、どれを選ぶかとってもたいへん。
たとえば、新刊「王羲之の書」の拓本は、テキストシリーズとすべて異なっています。
上は王羲之の名品「近得書帖(きんとくしょじょう)」です。テキストシリーズでは、「澄清堂帖孫氏本(ちょうせいどうじょうそんしぼん)」からとりました。
今回の「王羲之の書」では、「大観帖(たいかんじょう)カク場残本(かくじょうざんぽん)」からとっています。ずいぶん違うでしょう?
もう一つお目にかけましょう。
右も左も「澄清堂帖(ちょうせいどうじょう)」なのですが、廉南湖(れんなんこ)という人が持っていたのが「廉氏本(れんしぼん)」で、孫承沢(そんしょうたく)が持っていたのが「孫子本(そんしぼん)」。左がテキストシリーズで、右が「王羲之の書」。
どっちがいいか、意見の分かれるところですが、「王羲之の書」のほうが、楷書が書き込んであるので、草書を覚えるのにいいかも。
最後に一つ。ここでしか見られない名品です。
あまり紹介されませんが、「翰香館法書(かんこうかんほうしょ)」にある「知汝帖(ちじょじょう)」です。
どっちがいいか、意見の分かれるところですが、「王羲之の書」のほうが、楷書が書き込んであるので、草書を覚えるのにいいかも。
最後に一つ。ここでしか見られない名品です。
あまり紹介されませんが、「翰香館法書(かんこうかんほうしょ)」にある「知汝帖(ちじょじょう)」です。
最近は、展覧会が多すぎて、臨書に力を入れられない・・・なんていうことが多いみたいですが、そんなことを言わないで、古典の見直しをしてみませんか? 不況の時代こそ自分みがきのチャンスです。