2009年2月 1日

比田井南谷のスケッチ

作品80-1s.jpg

今日は比田井南谷のお誕生日、生きていたら97歳です。

南谷は作品を書く前に、必ずスケッチをたくさんたくさん書きました。今日はその中から、ちょっと変わったスケッチ方法をご紹介します。

 

 

 いつも使っていたのは、B5サイズの罫線が引いてないレポート用紙。これにまず鉛筆でいろんなイメージを書きます。

その次に、小さい紙(鳥の子や画宣紙、洋紙のこともありました)に、筆で書きます。

ところが、ある日、メッセージなどをマジックで書く白いボードに、黒くて丸いマグネット(碁石くらいのサイズ)が5~6個、配置されていました。その後、時々数や位置が変わっています。

赤い印が増えました。そしてある日

印の位置が変わりました。黒いマグネットの上に貼り付けられていたのです。

そして誕生したのが

作品80-1.gif

この「作品80-1」です。毎日展で発表されたのですが、作品の前に人だかりができて、「印が真ん中?」なんてささやき声が聞こえたそうな。

 

南谷は桑原呂翁先生に、」こんなことを言ったことがあります。

「前衛書道のお葬式をするから、香典をください」

「何に使うんですか?」と呂翁先生が聞いたら

「決まってるじゃないですか。飲んじゃうんですよ」と答えたそうです。

 

今も生きていたら、何を言ったかなあ。

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