比田井南谷のスケッチ
今日は比田井南谷のお誕生日、生きていたら97歳です。
南谷は作品を書く前に、必ずスケッチをたくさんたくさん書きました。今日はその中から、ちょっと変わったスケッチ方法をご紹介します。
いつも使っていたのは、B5サイズの罫線が引いてないレポート用紙。これにまず鉛筆でいろんなイメージを書きます。
その次に、小さい紙(鳥の子や画宣紙、洋紙のこともありました)に、筆で書きます。
ところが、ある日、メッセージなどをマジックで書く白いボードに、黒くて丸いマグネット(碁石くらいのサイズ)が5~6個、配置されていました。その後、時々数や位置が変わっています。
赤い印が増えました。そしてある日
印の位置が変わりました。黒いマグネットの上に貼り付けられていたのです。
そして誕生したのが
この「作品80-1」です。毎日展で発表されたのですが、作品の前に人だかりができて、「印が真ん中?」なんてささやき声が聞こえたそうな。
南谷は桑原呂翁先生に、」こんなことを言ったことがあります。
「前衛書道のお葬式をするから、香典をください」
「何に使うんですか?」と呂翁先生が聞いたら
「決まってるじゃないですか。飲んじゃうんですよ」と答えたそうです。
今も生きていたら、何を言ったかなあ。