2008年11月26日

弘前と比田井天来

004 岩木山神社門s.jpg

比田井天来が最初に弘前を訪れたのは、大正8年でした。

俯仰法を発見して、自信に満ちた、力強い作品が、ここ、弘前に残されています。

 

  天来が地方を遊歴する前に、弟子が先にその地を訪れ、作品の予約をとり、10本以上集まってから遊歴を始めました。ですから、新聞にも前宣伝をしたのでしょう。北は北海道から南は九州まで、たくさんの新聞記事が残されています。

 

001 新聞記事大正8年.jpg

天来の来弘を告げる新聞記事です。書道の博物館である書道館建設のために、全国を遊歴して作品を頒布している旨が書かれています。下段中央の「揮毫申込所」の最初にある「今泉書店」というのは、現在の北門書道会主幹、今泉さんのおじい様が経営していた書店です(よね?)。

 

002 大正8年報恩寺前.jpg

この写真、にもご紹介しましたが、今日はこの報恩寺にかけられている作品をご紹介しましょう。

 

003 寿無涯.jpg

大正8年ですから、このときに書かれたものです。迫力があって、大きさを感じさせます。

 

 

 

008 海馬扁額清厳.jpg

この作品は幅2メートル、大迫力です。硬い筆で、ごりごりとなすりつけるように書かれた線は、この時代の特徴です。

海馬という中国料理のレストランに飾ってあります。弘前にいらっしゃったら、ぜひご覧ください。

 

004 岩木山神社門.jpg誰でも知っている「岩木山神社」。ここにも天来の作品があります。

 

005 岩木山神社社務所.jpg

岩木山神社社務所。ここに「飛(とび)」の間があります。なぜ「飛」かというと

 

006 飛.jpg

こんな扁額が掲げられているのです。天来の一字書ってめずらしいですね。スピード感があります。

 

011 北門S.jpg

最後に北門書道会所蔵の天来の作品です。

たっぷりとした、豊かさを感じさせる作品ですね。

 

この年、天来は北海道を回った後、弘前に寄り、さらに秋田にも行きました。

知られざる天来」に、この旅の様子が書かれています。淡々とした文章によって、当時の様子が彷彿とよみがえります。

 

参考 現代書の誕生-それは旅から始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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