2008年10月16日

比田井南谷 第二部

moma64-14-3s.jpg南谷は本当に自由な人でした。自由すぎて、いっしょに仕事するのはたいへんです。







みんなで決めたことでも簡単に変更しちゃう。そのうちに、会議で決めたことは誓約書を作って、サインしてもらうことにしました。でも、関係ないのです。「よくなるんだからいいじゃないか」って、そりゃそーだけどねー。
31.jpg作品31。1931年の作品です。千葉市美術館が、これと、電のヴァリエーションともう一点をまとめて買ってくれました。時々陳列されている模様です。

57-8.jpg作品57-8、1957年です。(単純な名前の付け方ですが、よけいな連想をしてほしくなかったみたいです)
これは油絵の具で黒く塗りつぶしたあと、ゴムタイヤの切れ端で引っ掻いた作品です。(いろんなことを思いつく)

59-41.jpg
作品59-41、1959年です。こんな淡墨作品もあります。

moma64-14-3.jpg作品63-14-3は、ニューヨーク近代美術館が買い上げてくれた作品です。アメリカで個展をしていると、有名なコレクターがふらっと入って来て、作品を買ってくれるんですって。すごいですね。

70-1.jpg作品70-1は、万国博のとき、美術館に陳列されたもの。現在は佐久市駒の里ふれあいセンターにあります。
デモ1.jpgこれは1979年にオランダのミッテルバーグで行われた「世界現代音楽祭」の時の模様です。

デモ2.jpg南谷は50歳から英会話を勉強して、自由に会話することができました。みんな興味しんしんです。

南谷は、作品集の序文に、こんなふうに書いています。

私の作品に、もし何らかの取り柄があるとしたら、それは、ときどきの、ありのままの姿を正直に露呈しようとした点であろうと思います。

あーあ、ほんとに正直な人だったなあ。

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