2008年9月25日

天来祭り その3

9月21日は午前9時から講演と座談会「天来を知る・鑑定のポイント」が開催されました。
石井久吾先生の講演に続いて、天来の作品の変遷、そして真贋の見極め方に移りました。
今日は、その一端をご紹介します。

まずはこれ。
はがした作品.jpgこれは半分ホンモノです。天来は二層紙に書いたので、はがして二枚にして、これは下の半分。
かすれと印.jpg右の字の横に長い画の真ん中あたり、妙にかすれていますね。左の印もかすかです。
石井先生のお話では、富岡鉄斎の作品は6枚にはがされたそうです。表具屋さんがすごい!

真贋.jpg左の条幅は、かなり前にネットオークションに出たもの。右の作品はホンモノです。右は有名な作品なので、これをまねて書いたのでしょう。いろんな作り方があるものです。

松菊 印と.jpgこれもネットオークションに出たものです。作品も印もだめですね。

最後にちょっと変わり種。
絹色紙を比べる.jpg天来は最晩年、手術を待つ間に、特製ベッドを作って、ベッドに寝ながら作品を書きました。左がその中の一つです。絹に書かれています。そして右は比田井南谷が作った複製品。すごく精巧な複製です。ホンモノの印を押しています。

絹色紙(朝).jpgこうして比べてみると、かすれた部分のまわりがちょっととんでいますが、複製だけ見たのではわかりませんよね。

みなさん。くれぐれもご用心を。






同じカテゴリの記事一覧