2008年5月16日

詩文書作品と詩人の著作権(追記あり2016年8月8日)

現代のことばを書く漢字かな交じりの書-詩文書が人気です。
この分野で大きな問題になるのは、文学者の著作権。
去年発行した『響きあう俳句と書』では、日本文芸家協会に申し出て、決められた金額をお支払いしました。でもお一人だけ、ご遺族が許可してくださらない俳人がいらっしゃいました。「書にして欲しくない」と言われるのです。そういうこともあるのでしょうね。
親しくしていただいている「日本詩文書作家協会」では、文学者との交流を深めるために、いろんな企画をしています。でも、苦労もあるみたい。
熱海研究会で、船本芳雲先生が、興味深いエピソードを聞かせて下さいました。

るるるの話.mp4

新刊の『愛のフランス詩集』で、著者の吉田加南子先生がこんなことを書いていらっしゃいます。

書家の方たちに、日本のものばかりではなく、こうした外国の詩の言葉も書いて頂けたら、という願いから、このアンソロジーは生まれました。書作品として書いて頂くことによって、詩に新しい息吹が与えられ、共に言葉や文字によっている詩と書という二つの世界が、互いに広がりと深さを増すことができるなら、これほどうれしいことはありません。
原詩の著作権についての問題は、本書では発生しません。詩の全篇でも、また一行二行でも、何かを感じて書作品として取り上げて下されば、訳者の喜び、これにまさるものはありません。機会があれば、そのお作を拝見したいものです。よろしければ作品のお写真を、天来書院宛に送ってくださいますよう。

みなさま、ぜひぜひフランス詩を作品にして、写真を送って下さい。このブログでご紹介します。

ちなみに、天来書院発行の墨場必携類はすべて著作権フリーです。ご活用ください。

2014年1月発行の「みやが選ぶ小さな詩集」の中に、著作権が終了していないことばがあります。申し訳ありませんが、ネットなどで没年を調べてくださるよう、お願い申し上げます。(2016年8月8日・追記)

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