本当はおもしろい子守唄
子守唄第二弾!
子守唄はだいたいが、坊やはよい子だねんねしなとか、寝たらこうしてあげるよとか、意味のない言葉遊びとかなのですが、時にはとてもユニークな人物が登場したりします。その多くは、地域によって姿を変えたりします。
山梨県の奈良田子守唄
しょうがいばんばぁは やき餅好きで 夕べ九つ 今朝また七つ
一つ残して たんぼに入れた 馬に乗るとて うち落といた
お餅が好きなおばあちゃんがいて、夕べは九つ、今朝は七つ食べた。(すごい食欲)
で、何? わけわかんない。
そしたら、もっと具体的な唄がありました。岐阜県の「げんごめばばさ」。
おらが隣の源兵衛さんの ばばさまは げんごめばばさは 焼き餅が好きで 宵に九つ 夜明けに七つ
一つ残して たもとに入れて 馬に乗るとて えんころりんと落とした
ひろやひきょうだし ひろわにゃ惜しいし 心あるなら 飛び上がれ焼き餅
そっかー、一つ落としちゃったのかー。いくらばばさまが強くても、飛び上がれっていっても、無理ってもんじゃないかい?
その後がすごい!
源兵衛が亡うなって ばばさまは淋しゅうなったと
げんごめばばさは 九十九の年で 桑名の黒兵衛さんへ 嫁入りなさる
(なにー? ばばさまは99歳だったのか・・・すごい)
前歯二本に おはぐろ付けて 白髪三筋に かもじを入れて (あのねー)
おばばよしゃれと 孫子がとめる (そりゃそーだろ、でもおばばは強い)
孫子なにを言う 出雲の神が 結び合わせた 縁じゃもん
なんだか、民衆の強さに圧倒されたのでした。