ミスマッチ? 愛のフランス詩集
新刊の「愛のフランス詩集-作品に書きたいことば」について、どうお感じでしょうか。フランス詩と書を結びつけるのはへん、と思う方も多いかも。まずは、口絵の作品をいくつかご紹介します。
これが、船本芳雲先生の作品。マックス・ジャコブの「雄鶏と真珠」から。
青空の裾の 白鳥の羽のようなわずかばかりの煙 それは旅をしている 天使たち
まるで天使たちがささやいているような、繊細な作品ですよね。
仮名書道の内山玲子先生の作品は、ポール・ヴェルレーヌ(ベルレーヌ)の詩です。
白い月の光が 森の中で輝く どの枝からも 声がきこえる 草むらのしたをとおって
なんてきれいなんでしょ。
テレビ「趣味悠々」にご出演予定の石飛博光先生。ジョワシャン・デュ・ペレーの「風への願い」。
おまえたちに 贈ろう この董 この百合 またこの愛らしい花々
はずむようなリズム感。絵ではないのに、花々の咲き乱れる風景が目の前に現れるようです。
太田義久先生の作品はシャルル・ボードレールの『悪の華』より「旅への誘ない」。
沈む太陽が染めあげる 野を 運河を 街を どんな隅までも 風信子(ヒヤシンス)の紫 そして金色に
ダイナミックで、音楽が聞こえてきそう。
最後は永守蒼穹先生の作品、ポール・エリュアールの「自由」。
言葉の力によって ぼくは再び生きはじめる ぼくは生まれた おまえを知るため おまえを名づけるために 自由よ
若々しい作品、素朴で生き生きとしたリズムにあふれています。
いかがですか? フランス文学と日本の書の出会い。新しい地平が拓けてきそうな、そんな気がしませんか?
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