2008年1月31日

本当は恐い子守唄

今、子守唄の入力をしています。理由はまだ秘密。

女の子がまだ小さいうちから奉公に出されて、子守をするので、辛いこともたくさんあったのでしょう。いろいろな地方に残る子守唄には、かなり恐いものがあります。

東北地方はわりとおだやかです。青森県の「南部子守唄」

ねんねろや ころころ ねんねこして おいたなら あんずきまんまさ ごごかけて もしもそれが おいやなら 白いまんまに しゃけのよ もしもそれが おいやなら あんころに しょゆだんご

このあとも、寝てくれたら飴玉や麦せんべい、パン、むぎまんじゅうなどいろんなものをあげると続きます。

 

福井県の高浜子守唄。

ねんねした子にゃ 赤いべべ着せて 起きて泣く子にゃ 縞のべべ 縞のべべ

この子よい子じゃ ぼた餅顔じゃ きな粉つけたら なおよかろう   ・・・食べるのか?

 

愛知県はとってもやさしい歌詞です。

坊やはよい子だ ねんねしな この子のかわいさ 限りなさ 天にのぼれば 星の数 七里ヶ浜では 砂の数

こんなこと言われたら、すぐ寝るだろーな。

 

京都はさすがに言葉遣いが違います。

ねんねなされませ 今日は二十五日 明日はおまえの 誕生日

 

次は奈良県、ちょっと恐くなる。

泣くな泣くな 泣くなよ 泣いたらとんびに つままれる

 

広島県は、もう少し恐い。

ねんねんよ ねんねんよ 寝たらおもちゃを 買うてやろ 起きたらもうもに かぶらすぞ

「もうも」はお化けのことらしい。こわくて寝られないってば。

 

愛媛県、幡多地方の子守唄は、すごいぞー。

ねんねこしょ ゆうて ねる子はかわい ねんこしょ ゆうて ねん子はつらにくい

つらのにくい子は まな板の上にのせて 大根きざむよに きざみたい   ・・・・・おおっ!

 

最後に宮崎県。日南地方の子守唄です。

よい子よい子いうて 眠らん子は びんたに手こぶし あててやる

 

以上、究極の子守唄でした。

 

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2008年1月30日

ミスマッチ? 愛のフランス詩集

新刊の「愛のフランス詩集-作品に書きたいことば」について、どうお感じでしょうか。フランス詩と書を結びつけるのはへん、と思う方も多いかも。まずは、口絵の作品をいくつかご紹介します。

中野.jpg

 

まずは、中野北溟先生の作品。

ジュール・ルナールの『博物誌』より「蝶」。

折りたたまれた恋文が花の住所をさがしている

おしゃれでしょ?

編者、吉田加南子先生が、お知り合いの詩人や思想家の方々に贈呈してくださったのですが、ある哲学者から、「口絵の作品は、不思議な感じがする」という感想をいただきました。でも、この中野北溟先生と、下の船本芳雲先生の作品は、とてもいいと思った、とも付け加えてくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船本.jpg

これが、船本芳雲先生の作品。マックス・ジャコブの「雄鶏と真珠」から。

青空の裾の 白鳥の羽のようなわずかばかりの煙 それは旅をしている 天使たち

まるで天使たちがささやいているような、繊細な作品ですよね。

内山.jpg

仮名書道の内山玲子先生の作品は、ポール・ヴェルレーヌ(ベルレーヌ)の詩です。

白い月の光が 森の中で輝く どの枝からも 声がきこえる 草むらのしたをとおって

なんてきれいなんでしょ。

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テレビ「趣味悠々」にご出演予定の石飛博光先生。ジョワシャン・デュ・ペレーの「風への願い」。

おまえたちに 贈ろう この董 この百合 またこの愛らしい花々 

はずむようなリズム感。絵ではないのに、花々の咲き乱れる風景が目の前に現れるようです。

太田.jpg

太田義久先生の作品はシャルル・ボードレールの『悪の華』より「旅への誘ない」。

沈む太陽が染めあげる 野を 運河を 街を どんな隅までも 風信子(ヒヤシンス)の紫 そして金色に

ダイナミックで、音楽が聞こえてきそう。

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最後は永守蒼穹先生の作品、ポール・エリュアールの「自由」。

言葉の力によって ぼくは再び生きはじめる ぼくは生まれた おまえを知るため おまえを名づけるために  自由よ

若々しい作品、素朴で生き生きとしたリズムにあふれています。

 

いかがですか? フランス文学と日本の書の出会い。新しい地平が拓けてきそうな、そんな気がしませんか?

 

本『愛のフランス詩集-作品に書きたいことば』へ https://www.shodo.co.jp/books/isbn-199/

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2008年1月29日

不合理なこと

石川町駅の階段。

 

階段.jpg
電車がとまって、人がたくさん降りてきました。ああん、矢印を見てよ、下りは左側でしょ、って思ったけど、考えてみたら、電車がとまるのはホームの右側なのだから、誰だってそのまま右側を下りてくるわけよ。しかもこのあと、画面の右へ曲がってさらに階段を下りるんだから、わざわざ遠くまで行くはずないわね。つまり、上りと下りを逆にするべきなのだ!

こういうことって、たくさんある・・・・・。

 

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2008年1月28日

専門家も満足する写経の名品

比田井天来編「集王羲之書般若心経」と、比田井南谷編「集空海書般若心経」。この二種類を写経サイズ、といってもあのような細長い形式は無理なので、A3サイズにして、練習用紙も付けたセットを作って、販売したことがありました。評判がよかったので、また作ろう、ということになったのですが、紙が薄すぎて、どの印刷会社からも断られました。

一軒だけ、できるという返事だったのですが、一枚ごとに上質紙をはさむので、ものすごく経費がかかる。

それじゃー、というので、前に印刷してもらった株式会社モトマチ(天来書院を立ち上げた横浜市中区元町にある印刷会社)に聞いてみたら、できるというんです。ほんとかな。金色インクは印刷しにくいぞー。見に行ってもいいですか? ど^-ぞどーぞ。

 
王羲之般若心経.jpg

おー、美しい。

王羲之般若心経 部分.jpg

金色もしっかり出てる。

そこへ、お兄さんの社長さんが「少し色が薄いんじゃないの?」 

作業を担当した弟さんは、むっとした様子。和紙はインクを吸うから、どうしても薄くなっちゃうんですよね。でも、これは渡りに舟。そりゃー濃いほうがいいわね。「もっと濃くできますか?」 「できると思います」 えらい!!!

じゃーオネガイしますといって、私は会社に戻りました。

完成するのは来週です。どんなになったかご報告しますよ。

 

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2008年1月27日

第三回居酒屋探検隊 丸太ごうし

全国の居酒屋探検隊ファンのみなさま、お待たせいたしました。第三回は知る人ぞ知る浅草の名店「丸太ごうし」さんです。

まずはその前に、合羽橋でお買い物♪ メンバーは隊長、顧問のソーセキ先生、まゆみ隊員と私で~す。

A合羽橋.jpg

土曜日だったせいか、とってもにぎわっていました。それもそのはず、いろんなものが安いんです。真ん中の写真を見てください。ぜーんぶ百円だよー。

右端は食品サンプルと作っているお店。実は、養心王の形を携帯ストラップにしたいと思ったのです。作りたいサイズに模型を作れば、それほど高価でなく作れるそうです。一個なら3000円。30個作れば一個1000円から1500円。ふむふむ。

突然隊長が小走りになり、お店に入ってしまいました。そこは刃物屋さん。包丁を買いたかったんです。ご主人と話し込みながら、なかなか決まらない。隊長っ、そんなことをしている場合ですかっ。早く飲みに行くんだ~。やっと決まったらしい。

タクシーで向かったのは伝法院通り、ここに屋台がいっぱい並んでるんです。隊長はなんでも知っている。

B伝法院通り.jpg

まだ4時だというのに、お店はいっぱい。土曜日とはいえ、いいのか、これで?

C入ったお店.jpg

などといいながら、一軒のお店に入りました。小さいお店なのに、な、なんだこのメニューの数。どこにしまってあるのー?

Dすじ煮込みなど.jpg

ふっふっふ。合羽橋で買ったものがあるんです。それが左端の小さなのぼり。居酒屋探検のときは、これを立てることに決めたんです。字を書いてくれたのは、顧問のソーセキ先生。気合が入ってるなー。

左は屋台の定番「牛すじ煮込み」、真ん中は焼きさつまあげ、右は「みがきにしん」。すっごく柔かい。添えてあるのはお味噌です。粋だなー。

生ビールから始まって、冷酒を注文。もういっぱい行く? もう5時10分前だから移動しよう。

E浅草風景.jpg

おー、花やしきだ。浅草寺の塔はライトアップしてるぞ。いい雰囲気だなー。

F 丸太ごうし玄関.jpg
などと言っている間に、着きました。絶品のおでんを出してくれる「丸太ごうし」さん。前に、隊長がこのあたりを歩いていたとき、偶然発見、暖簾を持ち上げて店内を見たら、ご主人がすっくと立っていて、「ここだっ」と思ったそうです。エライ!

ここで、副隊長と合流。今回は特別ゲスト、お二人をお呼びしました。今は退職して悠々自適、パンを作らせたら右に出る人はいない小野さんと、「私のおでんの原点は丸太ごうしです」と語るつわもの、橋本さん。んー、たのしくなるぞー。

Gおでん二種.jpg

注文したのは、まずおでん。「何がオススメですか?」 「オススメはない。うちのは全部おいしい」 コワイ。でも我慢して「じゃあ盛り合わせをお願いします」

黒い色をしているのですが、そんなに辛くなくて、まろやかで奥が深い、すっごくおいしい。熱々なのにはんぺんは膨張してないぞ。ちょうどいい温度でことこと煮たんだな。まゆみ隊員は、あっ、偶然取ったら爆弾だ、うれしー、とはしゃいでいます。奥のおなべの「子持ちいか」がおいしいといううわさ。私も食べよー。あっ、写真を撮る前に食べちゃった(汗)。

H汚れた探検隊.jpg

例ののぼりを立てようとバックから出したら、まだ濡れてたらしく、汚れてる・・・。よーし、というわけで、ソーセキ先生再び挑戦。きれいになりました。おでんはずいぶん減った・・・。

Kお刺身とさざえ.jpg

お刺身も頼みました。左端はメジまぐろ、これものすごくおいしかった。「まぐろは本まぐろ」なんて思ってちゃいけません。右はサザエのつぼ焼き。むかし、江ノ島で食べた味だ。ちょうどいい大きさに切ってあります。

さー、次はどこへ行こうか? 達人の橋本さんがいるから心強いなー。

L二次会の店.jpg

このお店にしました。白子なべを注文しました。この白子の量、どーよ! そしてやっぱりあののぼり。きれいだ!

M作品三点.jpg

次に行ったのは、有楽町にある「はちや」さん。比田井南谷の作品がある、珍しーいお店です。

Nはちや 探検隊.jpg

ここでもやっぱり探検隊ののぼり。お刺身はすばらしくおいしかったです。ご馳走さまでした。

J集合写真.jpg

最後に、せっかく撮ったので集合写真を乗せちゃいます。みんな、許して・・・。顧問ちゃんがいないけど、途中で手タレとして出演したからいいか。

居酒屋探検隊は、毎月第4土曜日の予定でしたが、おもしろいので、第2と第4土曜日に増やします。居酒屋放浪隊は、不定期でウィークデイの夜出没します。お楽しみに。

 

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第一回居酒屋探検隊 藤沢 九昇

第二回居酒屋探検隊 神田 みますや

第三回居酒屋探検隊 浅草 丸太ごうし

第四回居酒屋探検隊 横須賀編

 

第一回居酒屋放浪隊 中目黒 ほさかや 根室食堂 おおたる

第二回居酒屋放浪隊 新馬場 牧野  放浪する隊員たち居酒屋放浪隊 ひな祭りと中華街

2008年1月26日

いざ 出発

いいお天気♪ 居酒屋探検日和ってもんです。

夫に、何時に帰るの、と聞かれたので、わからないと答えました。

昔、父が、お前と結婚する男は不幸だ、と不気味な予言をしたことを思い出した・・・。

 

いってきまーす。

2008年1月25日

富士山が見えました

お天気がいいと、東横線「新丸子」を過ぎ、「玉川」に着く直前に、富士山が見えます。ずっと見えなかったのですが、今朝は見えました。幸い、ちょうどいいところに場所を取れたので、写真に撮りました。

富士山.jpg

望遠ですが、けっこう見えるもんですね。

さー、明日は第三回居酒屋探検隊、浅草編です。なんと二時半に待ち合わせて、かっぱ橋でお買い物。「とちゅうで飲むところがあったら、ビールだけにしようね」と隊長。「えーっ、なんでー」とまゆみ隊員。さてさて、どうなりますか、お楽しみに。

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2008年1月24日

羊毛筆の原料はヤギの毛

書の専門家が愛用する「羊毛筆」。いろいろな本に、この原料は「羊の毛」だと書いてありますが、これはうそだってこと、ご存知ですよね。

20 山羊.jpg

これが、筆の毛をとるために、中国の限られた地方で飼育されている「ヤギ」です。よい毛をとるためには風にあてなくてはなりません。子供が朝、学校へいくときに、山へ連れて行き、学校帰りに家に連れてくるそうですよ。

羊毛-原毛.jpg

これは、筆にする前の原毛。

 
細光鋒.jpg

毛の中でも最高とされる「細光鋒」と呼ばれる毛を拡大しました。きれいですね。

上質の羊毛筆は、使い込むにしたがって毛先が黄金色に輝くといわれています。大事に使いましょう。

 

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2008年1月23日

飯田橋 島

書道水墨画図書出版会を立ち上げた功労者の一人が、昨年12月、定年を期に東京堂社長を勇退された今泉さん。(あれっ、北門書道会主幹と同じ名前だ) 夕べは、書道水墨画図書出版会の主催で、今泉さんの歓送会がありました。

天来書院を立ち上げて17年、いつも「仲間だから」と、相談に乗ってくれましたから、もちろん参加しました。

200612091831000[1].jpg以前、雄山閣出版でいっしょに働いていた正木さん、そしてなぜかご老公と居酒屋探検隊顧問のそーせき先生も同席。二次会どーする?ということになり、久しぶりに飯田橋の沖縄料理店「島」へ行きました。

写真は「ジーマーミー豆腐」、たぶんピーナッツで作った豆腐(ごま豆腐みたいなもの)で、弾力があって美味しいんです。

飲み物はといえば、泡盛でしょ。40数度というしろものをコップについでくれる(受け皿にこぼす)のですが、これがやばい。3杯でやめればいいのですが、今日のこの感じからいうと、それ以上飲んだなー。

あーあ。

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2008年1月22日

学書筌蹄

さあ、比田井南谷が横浜で再開した書学院出版部。次に発行したのは,大正10年から刊行を始めた、比田井天来の全臨集『学書筌蹄(せんてい)』の抜粋本です。

学書せんてい.jpg

もともと『学書筌蹄』は、代表的な碑帖12種を選び、20ヶ月にわたって全臨したもので、五百部限定、しかも20冊に分かれていました。そのそれぞれから抜粋して一冊にしたのが本書です。

新刊案内には、こう書いてあります。

俯仰法発見の成果を江湖に問い書壇を驚倒させた名著! 五十年後の今日もなお先見の明を示す考証的解説!

気合が入っていますよね。

南谷の本作りはこだわりに満ちていました。今のように簡単なスキャナなどありませんから、まる一日かけてカメラのライティングの調整をし、撮影、製版から刷版まで、満足のいくまでやり直しました。印刷は別の会社に出していましたが、インクの濃さはもちろんのこと、最初から終わりまで立ち会って、汚れたり紙粉が出るとそこでストップ、きれいにしてからまたはじめるのです。印刷屋さんもたまったもんではありませんが、よくつきあってくれました。

書学院出版部の信条というのがありました。

比田井天来の志をついで出版によって正しい書道の再興につくす。

良書を厳選し正しい釈文、解説を付す。

自家写真製版による独特な複製技術を駆使し、他社の企及しえない出版物の刊行につとめる。

楽しいっちゅや楽しいんだけど、お金なくなるわねー。でも知ったこっちゃないんです。気に入らなければ印刷物は捨てるわ、好きなだけ時間はかけるわ、しょっちゅう気が変わるわ、まーいーけどね。

てなわけで、いろんな楽しい(?)事件がありました。少しずつ教えちゃいますよ。

 

天来書院版『学書筌蹄抜粋』 https://www.shodo.co.jp/books/isbn-032/

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"学書筌蹄" つづく

2008年1月21日

弘前北門書道会

19日、私を顧問にしてくださっている北門書道会の新年会に行ってきました。

天来と北門.jpg

左は大正8年、弘前の名刹、報恩寺の前です。前列中央が比田井天来で、右上は今泉虚洞氏、現在の主幹、今泉良郎さんのおじいさまです。天来は北門書道会の最初の顧問でした。

そして右は、DVD「比田井天来の生涯」に出演してくださった主幹、今泉良郎さんです。若いですね―。

北門書道会は、古典に立脚し、伝統にのっとって活動をしています。かつて金子鴎亭先生が「北門書道は思想的には、比田井天来の直系であり、東北地区唯一の純血種である」と書かれたそうですが、中央の公募展のみに偏らず、地域文化としての役割を担っています。こういう団体が日本の書を守っているのだと思います。

さて、いよいよ弘前へ向かいます。去年の12月は雪のため、飛行機が青森空港で引き返したので、今回は新幹線。八戸で特急「つがる」に乗り換えて弘前に向かいます。

と、ところが恐ろしいことが・・・。私の座席は1号車17番A、なのにこの車両、16番までしかないぞー。どうやら前の列車が運休したので、いろんなことがめちゃくちゃになったらしい。忙しそうな車掌さんをつかまえたら、「16番Aに座ってください」。でも、指定席の車両は混んでいるな―。自由席はがらがらだから、こっちに座ろっと。

すると社内アナウンスが聞こえてきました。「これからみなさまのお席まで沿線の特産品をお持ちします。横浜のしゅうまい・・・」 ええっ? どうなっているんだ? ここのほたてを使っているのかな。

雪景色.jpg

最初は晴れていたのに、だんだん雪が深くなっていく。夢中で撮影しているうちに、ついにふぶきで撮影不可能。

弘前に着きました。さあ、雪の中を歩くことはなかなかないから、歩いてホテルへ行こう。あれっ、今泉さんが送ってくれた紙がないっ。ホテルがわからないぞー。観光協会があるから聞いてみよ。でも、なんて聞くんだ?

すみません、駅の近くのホテルの名前を順に言ってみてください。うーん、みんな違うような気がする。とにかくプリンスホテルへ行ってみよう。

このホテルで今日、北門書道会の新年会を予定していますか? していない。どこだろー。どっか心当たりありませんか?

百名以上のパーティーだったら、パークホテルかもしれません。それだっ。電話したら、確かにそうだった。

そして、いろんな人に道を聞き聞き、40分もかかって歩きました。親切に教えてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

新年会.JPG

熱気にあふれた、すばらしく楽しい新年会でした。ひっきりなしにお酒をつぎにきてくださったみなさま、どうもありがとうございました。(来年は飲み方を考えよう。最初にいっぱい食べちゃうしかないぞ。)

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翌日、帰りの電車の窓です。

往きはだんだん雪が増えていって楽しかったけど、帰りは長かったなー。

来年の新年会も、景品をもってうかがいますので、北門のみなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

DVD比田井天来の生涯 https://www.shodo.co.jp/blog/hidai/2008/01/post-16.html

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2008年1月18日

弘前 上田桑鳩先生書 旭松堂

 

旭松堂HP.jpg
明日は弘前、北門書道会の新年会です(新年会はこれが〆・・・だと思う)。じょっぱりが私を待っている♪

去年、12月に行こうとしたのですが、雪のため、飛行機が青森空港上空を旋回した後、羽田に引き返してしまった(呆然)ので、明日は新幹線。

弘前で見つけた上田桑鳩先生の看板をご紹介します。優れた書は、街の風景を変えるんだなーと、つくづく感じました。上はお部屋にかかっていた真蹟です。

旭松堂さんはしにせの和菓子やさん。「バナナ最中」が有名ですが、私は確かりんごのお菓子を買ったような記憶があります。弘前はりんごにとっても力を入れていて、りんごも美味しいし、お菓子も美味しいんですよ。

というわけで、明日はブログはお休みです。雪景色でも撮影してこよーかな。

 

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2008年1月17日

第二回居酒屋探検隊 みますや

お待たせしました。いよいよ第二回に突入です。

2007年12月8日午後5時に神田駅で待ち合わせ。あら、15分も前に着いちゃった。ぶらぶらしよっかな。あれ? あそこに見えるのは隊長ではありませんか。

そーです、隊長とまゆみ隊員も早ーく到着。やる気まんまんってやつですわ。なごや副隊長は遅れるっていうから、行きますか! 歩いてすぐだよ。

みますや.jpg

ネオンも少なくなって、暗い路地裏にたたずむ小さな店。これこそが、あの有名な「みますや」さんです。そこぞのチェーン店とはわけが違うぞ。はやく入いろ。

まずはビール。その前にお品書きを見ると、

お品書酒.jpg
おお、日本酒はすべて一合750円、越の寒梅もだ! すごすぎる。おつまみも安いぞーーー。

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このあんきも、ふわっふわで美味しいったらありません。ぬたはからしがピリッときいて、さすが江戸っ子、っていう感じ。きのこの煮物は味が濃すぎず薄すぎず、歯ごたえしっかりのすぐれもの。こはだも江戸の味だぞ―。

お酒はもちろん日本酒です。この日に飲んだのは、神亀、翠露、磯自慢。お燗もいいよねっていうんで谺と白鷹。

そうこうしているうちに、なごや副隊長登場。どんな人かって?

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こんなネクタイしてます・・・。

つまみ2.jpg

お料理第二段。どじょうはやっぱり丸ごと煮でしょ。日本酒に合うな―。次はふぐのから揚げ。中はジューシーで外はさくっ。左下は馬刺しです。脂が口の中でとろけて、これも絶品。右下はなんだか忘れた。

てなわけで、わいわいがやがや。お店もすぐに満員。さすが名店です。

もう酔っ払って、十分満足だけど、これで終わるわけはありません。二次会は横浜方面に繰り出そう。こもんのそーせき先生はもう会議が終わった頃だから、電話しよー。おっ、二次会に参加♪

大森駅でそーせき先生と合流。電車が来ないからビールを飲んでっと、もちろんロング缶。

二次会はどこへ行ったって? 忘れたに決まってるでしょ。

次回は、名だたる居酒屋の中から選りすぐって、浅草になる模様。でも、隊長が知識がありすぎて、しかも気まぐれだからな―。

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第一回居酒屋探検隊 久昇 https://www.shodo.co.jp/blog/hidai/2008/01/post-5.html

第三回居酒屋探検隊 丸太ごうし https://www.shodo.co.jp/blog/hidai/2008/01/post-23.html

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2008年1月16日

墨の話 松煙墨と油煙墨

もうすぐ180000ヒット。これを記念してキリ番プレゼントをします。

 

墨のすり口.jpg墨には「松煙墨」(左側・すり口が光っていない)と油煙墨(右側・すり口が光っている)があるのはご存知ですね。

その違いは粒子を見るとわかります。すった墨を5000倍に拡大しますよ。

 

墨粒子.jpg左が松煙墨で右が油煙墨。粒子の大きさがぜんぜん違います。そして、細かい粒子は茶系や黒い墨液に、大きい粒子ほど青くなるんだそうです。

もうひとつ、今度は紙の繊維と墨の粒子の大きさを比べてみましょう。

 

紙の繊維と墨粒子.jpg交差している太い棒が紙の繊維、ゴミみたいに見える白い点々が墨の粒子。すごい違いでしょ? 

筆墨硯紙の世界では、間違った情報が氾濫しています。その一つが墨の滲みの原理。こんなことを聞いたことがありませんか? 大きい粒子は紙の繊維の間にひっかかるので、小さい粒子だけが外へにじんでいく。

そんなばかな! どこでひっかかるんじゃい(怒)。

ビデオ「墨を極める」 https://www.shodo.co.jp/dvds/isbn-no156/

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"墨の話 松煙墨と油煙墨" つづく

2008年1月15日

天来題字「養心王」

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比田井天来の扁額「養心王」の文字を使った美味し~いお酒「養心王」は、おかげさまで大人気。お歳暮などにも使われたので順調に売れている模様です。

でも、ほんとは一升瓶がいいよねー。てなことで1月4日のために一升瓶を作ってもらいました。風邪のために宴会中止となったので、たくさん残っている模様。改めて大宴会をせねば(恐)。

二日酔いにならないこのお酒、お燗でもおいしいんですよ。

作ってくれたのは渡辺酒造さんです。https://www.yukikomachi.co.jp/index.html

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2008年1月14日

伏見冲敬先生

比田井天来の門下の中で、父と親しく、もっともひんぱんに比田井家にいらしたのは伏見冲敬先生である。父は英語に翻訳するために書道史を書いていて、正確を期するために、学者である伏見先生に手伝ってもらっていたのだ。

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そこで登場するのが、このウィスキー。伏見先生も父も限りなくお酒を愛していたので、酔っ払っては議論するのが常だった。

飲み方は「ハイボール」、氷とソーダで割るのだ。きらきらと透明なその液体は、まだお酒をのめなかった私にはとても美しく見えた。

二人とも、どうしても飲みすぎてしまうので、いろいろ工夫はしたらしい。あるとき、飲む量の上限をボトルの半分にしようと決めた。ところが二人合計でその量にしたものだから甘かった。相手よりたくさん飲みたくなって、スピードがあがり、結局もう一本ということになったのだ。

親しかったといっても、気が合っていたわけではない。伏見先生は学者で父は芸術家だったから、作品の好みや芸術的解釈が異なるのだ。二人とも頑固だから、意見が分かれると、次回までにいろいろ調べて、相手を負かそうとする。その結果、書道史の本には、中国歴代の学者の説がたくさん引用されるという、すばらしい結果となった。

とくに顔真卿については、二人の見解は対立し続けた。伏見先生はあまり好きではなく、父は大好きだったからだ。二人の議論は酔うほどに白熱し、知的でエスプリが利いていて、とてもおもしろかった。

私が大学院を卒業し、伏見先生の『角川書道字典』のお手伝いに加えていただいたのは前に書いたが、本ができあがり、父が経営していた書学院出版部に入ってからも、伏見先生のお世話になった。最初に新刊のちらしを作ったときは、伏見先生のお家にうかがってアドバイスをいただいたし、なんでも先生に相談したものだ。

忘れられないのは『篆書基本叢書』シリーズ全12冊を作ったときだ。先生に監修をお願いし、「監修料は五万円でいいですか?」と言ったら、先生は目を丸くした。やばい、安すぎたか! と思ったが、先生は快く承諾してくださった。

先生といっしょにお酒を飲んで、父のように議論したかったが、先生はしばらくして脳梗塞をわずらい、お酒が飲めなくなってしまった。

先生と父のあの議論を、ビデオに撮っておけばよかったと、今になって後悔している。

 

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2008年1月13日

また新年会

今日はいいお天気♪

これから、ある書道会の表彰式に行きます。「天来書院賞」というのを作ってくださったのです。

何かお話してください。といわれたのですが

五時から別の会の新年会なので時間的に無理です、

じゃあ、特別に時間を早めて・・・。

そ、そんな、どこぞの市長ではないから、やめてくださ-い。

というわけで、五時からの新年会は30分遅刻です。

新年会はほかにもお誘いいただくのですが、とっても全部にうかがえません。お許し下さい。

 

今日こそ早く帰るぞ(無理かも)。

 

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2008年1月12日

彦狭島陵墓とすずめの樹

彦狭島王陵墓.JPG
佐久市旧望月町は比田井天来が生まれ育ったところ。もう何度も行きましたが、昨年12月、初めてここへ行きました。

由緒ある古墳だそうです。

とても静か・・・なはずが、ちゅんちゅんちゅんちゅんと、妙にすずめのさえずりがうるさい。

ふと見上げると

すずめの樹.JPG

すずめの樹だっ。漢代の画像石にも、こんなのあったなー。

境内(っていうのかな)を出ると二本の石柱が。

石柱二本.jpg

明治34年といえば、天来は30歳、上京して、小琴と結婚して、東京陸軍地方幼年学校の教授嘱託となった年です。ふるさとを愛し、訪れることが多かったといいますから、これ、天来が書いたのかもしれませんね。

 

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2008年1月11日

怪しい光

 

ビルの壁 総合.jpg
お天気がいいと、品川駅から会社へ向かう途中、ビルの壁がこんな風に見えます。原因は、向かいのビルの窓。太陽光線が反射して、こんな模様を作るんですね。

どうせなら、もっと美しい模様を作るように、ビルを設計すればいいのにね。

 

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2008年1月10日

天来習作帖

 

天来習作帖.jpg
比田井天来は、書の名品を紹介するため、たくさんの本を出版していました。しかし天来没後、太平洋戦争が勃発して出版活動は一時中止していました。

比田井南谷が横浜で書学院出版部を再開したのは昭和44年、最初に発行したのがこの『天来習作帖』です。

「あとがき」にはこう記されています。

この天来習作帖は、天来の壮年の力作であって、古法帖研究のまたとない手引きとして、発刊当時の好評もさることながら、年を経て、ますます要望が増していくのに、久しく絶版で、入手が困難になっている。このため復刊を望む声も多く、再販を計画したが、原稿はすでに失われ、その上原版の印刷が悪いため、製版を依頼してみたが到底使用に耐えない。結局、普通の手段では、複製は不可能という結論であった。

ところが、最近わたくしの研究所で、新しい製版技術の開発がすすみ、非常に手数のかかる、面倒な工程を必要とするけれども、どうにか原版以上の再現が可能であるというめどがついた。そこで、この数か月の間、一切の仕事を拗擲して、数本の原本中のもっとも刷りのよい頁を選び合わせ、撮影と製版に没頭した。その結果、仕上りに比べて経費が非常に高くかかる結果になったが、こうしてほぼ満足すべきものができあがり、世にお送りすることができたことは喜ばしい。

仕上りに比べて経費が非常に高くかかる。これが南谷のモットーでした。ほんとにたいへん。経費だけでなく、時間もかけました。『天来習作帖』のときは、顕微鏡でアミ点を書くなどということまでやったんですからね。

まあ、そのへんのことはおいおいご紹介することにして、この努力は報われ、『天来習作帖』は多くの人に絶賛されました。

 

習作1.jpg
左から、金文二種・礼器碑・ほ閣頌。

 

習作2.jpg

 楷書です。張猛龍碑・九成宮醴泉銘・孔子廟堂碑・雁唐聖教序。

習作3.jpg

そして、最後は草書です。王慈柏酒帖・張旭五言詩帖・顔真卿近作帖・米フツ値夜帖。

「近年老人の仲間にはいって、自分の一家法が出来かけてきたためか、臨書が若い時ほどよく似なくなって」と天来みずから書いていますが、原本の核心をとった、天来独自の臨書です。

これ、出版したいのですが、売れないよなー。でも、いつかは必ず重版するぞっ! 

ちなみに、金文、礼器碑、張猛龍碑、九成宮醴泉銘、孔子廟堂碑、雁塔聖教序、王慈柏酒帖(『王氏一門』)はテキストシリーズ、ほ閣頌は知られざる名品シリーズにはいっています。同じシリーズの「米フツ」を作ったとき、な、なんと「値夜帖」紛失! で入れられませんでした。書学院には本がありすぎて、欲しいものほど見つからない。トホホ。

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2008年1月 9日

夜の品川

夜のビル.JPG

都会のビルって、昼間見るとすごく無機的なイメージですが、夜、マンションに住む人々が灯りをつけると、なんとなくあったかい感じがします。

 

三脚も立てずに撮ったのに、今のカメラの性能はすごい。

そして、遠近法を修正するパソコンソフトはえらい。

 

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2008年1月 8日

夕焼け

夕焼け 黒.jpg

日が西に傾く頃、浅間山が紅に染まっていきます。ピークに達したあと、山肌の紅はだんだん暗くなっていきますが、西の空では、一日の最後を飾る夕焼けが始まります。

 

雲も、空も、金色の光を放ちます。

静かに夕べが燃え尽きてゆく、きらびやかな瞬間。                     

 

比田井天来が生まれた家から見た夕焼け。天来も毎日こんな夕日を見ていたのでしょう。冷たく澄み切った大気が作り出す鮮やかな雲の光景です。

 

こちらは海の夕焼け。千葉県浦安です。山と違って、しみじみとした光景です。きらきらと、水面に映る光の帯。

 

 

 

これは昨年秋、中野北溟先生の講演を聞いた後の、名古屋での夕日。

家の影になってしまい、太陽は見えませんが雲の色彩が見事です。

 

 

最後は、私が住んでいる武蔵小杉から30分ほど、川崎です。駅から見た夕日。なんとなく、これが一番落ち着きますね。

 

実は、私は、夕焼けを撮るのが大好き。でも私の家からも、会社からもビルが邪魔して夕日が見えないのです。だから出かけると、夕焼けのことばかりかんがえたりしてます。

またきれいな夕焼けの写真が撮れたらご紹介しましょうね。

 

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2008年1月 7日

第一回居酒屋探検隊 久昇

今日は仕事始め。まずは居酒屋探検隊でいかなきゃねっ。(なんて会社だ)

美味しいお酒とお料理が大好きなメンバーが、居酒屋の名店を訪ねますよー。

 

隊長  よっちゃん

副隊長 なごやさん

隊員  (とにかく飲めりゃーいい)まゆみちゃんと私

顧問  (欠席しがちな)そーせき先生

では、第一回スタートです♪

久昇.jpg

去年のことになりますが、11月10日(土曜日)午後五時半、藤沢の「久昇」を訪ねました。いい雰囲気でしょ。

メンバーは隊長、副隊長、隊員二人で、顧問のそーせき先生は欠席(ぷんぷん)。

 

かぼちゃとさば.jpg

まずはみんなが頼むという「かぼちゃ入り卵焼き」。甘く煮たかぼちゃが入った、やさしいお味です。

それから、居酒屋の定番「しめさば」。脂ののりが絶妙でした。

すじとかき.jpg

左の「牛すじのうま煮」には、なーんと生クリームが入っているのです! 個性的な味ですよ。

メニューに「牡蠣の磯煮」とあったので、それなーに?と聞いたら「牡蠣をのりで煮たものです」。

おー、それいってみよう♪ それが右側のお料理です。青海苔の中に見え隠れしているのが牡蠣。美味しくて簡単そうなので、さっそくおうちでも作ってみよ。

時間はそろそろ六時半。土曜日のまだ早い時間だというのに、お店は満員、熱気むんむん。ビールから始まって日本酒いっぱい飲んだので、ワタクシはもう写真どころではありません。キャー。

というわけで今回はおしまい。次回は神田の名店「みますや」を訪ねます。

 

第二回 居酒屋探検隊 みますや https://www.shodo.co.jp/blog/hidai/2008/01/post-15.html

第三回 居酒屋探検隊 丸太ごうし https://www.shodo.co.jp/blog/hidai/2008/01/post-23.html

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2008年1月 6日

角川書道字典

三日連続新年会も無事終了しました。3日は午前11時から午後5時、4日は正午から深夜12時、5日は4時から深夜12時頃まで飲み続け、なんともまあ人生の無駄じゃい。でも結構元気です。

今日からは気を取り直して、まじめにいきましょう。

出版秘話カテゴリの最初は、私と出版との出会いともいうべき「角川書道字典」です。

0106書道字典.jpg

私が大学院を卒業した時、伏見冲敬先生の「角川書道大字典」全二巻の携帯版として「角川書道字典」の編集が始まっていました。そこに参加させてもらったのです。

字典を作るのってとってもたいへん。当時はパソコンなんて使えませんから、原本を撮影し、裏返して窓ガラスにぴったりとつけて(光に透かせて文字の場所を確認・後にはライトボックスという利器登場)それが何という字かを書きこみ、これを一字ずつ切り離して部首が書かれた箱に入れ、字書順に並べて、紙に貼りこんでいくんです。そこから伏見先生が字を選び、整理していく。

こんなことをしている人たちがいるんだー、とびっくり仰天。

時々のりがはがれて一字だけ床に落ちてたりしたら、さーたいへん。「この字はこの古典だと思うので、探してください」なんていうことになると、そのためにかかること数時間。

最終段階に入って版下を作るときは、貼り方が曲がっているだのまっすぐだの大議論勃発。どっちでも似たようなものだから、どっちにするか早く決めてくれー、てなことになります。

私はそれまでカンディンスキーだドイツ語だとやっていたので、部首はわからないわ草書は読めないわで大騒ぎ。「支那文を讀む爲の漢字典」の「檢字」11ページをコピーして持ち歩き、電車の中で覚えましたね。

でも、筒井先生が神保町へ連れて行って、必要な字書をそろえてくれたり、先生たちの会話に出てくる固有名詞がだんだんわかるようになったり、ほんとに勉強になりました。

このとき、いっしょに仕事をしていた方々によって、現在のテキストシリーズが誕生したのです。出会いに感謝!!!

 

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2008年1月 5日

新年会はまだまだ続く・・・

有能な社員が育ってきたので、天来命日の公式報告はそちらにまかせて、私は趣味に走ることにします。

書学院跡に行くと、こんな石像が出迎えてくれるんですよ。

石像3体.jpg

 

最初に迎えてくれるのが左端の石像。ちょっと韓国風の表情がいいでしょ?

華蔵院の前、左右に並んでいるのが中央と右の石像です。

それだけじゃありません。

 
狛犬対.jpg

華蔵院の前には、こんな狛犬がいるんですよ。

 

さーて、今日は4時から、明治記念館で新年会。今日こそ早く帰るぞっ。(だめかも)

 

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2008年1月 4日

新年会が続く・・・

 昨日は、主人の兄弟が川越に集まって新年会。

おもしろい焼酎を発見しました。

 

0103焼酎.jpg
 

ラベルが印刷してあるのは左の面。なんだかちょっとなー、と思って裏返したのが右。おお、こっちから見るのか! いろいろ考えるもんです。

今日は比田井天来の命日なので、これから北鎌倉建長寺でお墓参り。それからギャラリー雪の下さんで開催中の展覧会(天来作品だと思う・・・)にお邪魔して新年会。その後、いつもなら横浜書学院で弟の料理と吟味された日本酒で大宴会なのですが、今年は弟一家は風邪でダウンしているので、どっかお店に入らなきゃ。多分20人くらいになるので、予約したいのですが、集まってみないと人数がわからない(汗)。ま、出たとこ勝負といきますか!

 

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2008年1月 2日

初詣

01011七福神.jpg
 
1月1日、初詣をしました。

行ったのは川崎七福神。

武蔵新城駅から歩いて五分ほどの「安養寺」と「宝蔵寺」 

たくさんの人でにぎわっていました。

有名な神社へ行かなくても、地元がいいのだ。

最初はいいお天気でしたが、だんだん曇ってきて寒かった・・・。

 

おみくじがあって、主人が引いたら大吉!

なんということだ。

私も引いてみよ。

お守りつきで200円なり。

で、どうだったと思います?

 

01014亀.jpg
吉だったのですが、

お守りは「銭亀」。

今年はお金が儲かるのかなー。

 

 

んんん、このブログ、画像の配置が難しい。

 

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2008年1月 1日

御所みかんとだるまさん

あけましておめでとうございます。

新年と同時に、新しいブログを始めることになりました。

タイトルは、「酔生夢死」をもじって「酔中夢書」。「書」の家に生まれながら「書家」にならず、でも「酒」という伝統はしっかり受けついだ私。いつの間にか、世の中の大半が私より年下という時期になり、後に伝えたいことがたくさんあることに気づき、そーだ、ブログをやろう、と相成った次第です。

私が小学生だった頃、大晦日は大掃除とおせち料理のお重詰めに大忙し。一人一人のお重に、かまぼこは紅白ふた切れ、栗きんとん、黒豆、白い煮豆、伊達巻、田作り、えび、煮物などを詰めるのです。

独特だったのは「ごしょみかんとだるまさん」。

小型のみかんの皮をむいて横半分に切り、まわりをかんてんで囲んだのが「ごしょみかん」。上から見ると、四角い窓にみかんの切り口が見えて、御所車の車輪みたいに見えるのです。

「だるまさん」はゆで卵を赤く染め、顔の部分をそぎとって白くして、墨で顔を書きます。もちろん顔を書くのは子供たち。「おじちゃんはこんな顔かなー」などと思い描きながら書くのはとっても楽しかったのを覚えています。

お正月料理は、今のようにおとり寄せではなく、家によって違っていました。そんな伝統を、もう一度取り戻したいものですね。