もう一つの梧竹(篆隷6) 篆隷のバリエーション

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梧竹85歳、「門に俗客無く、唯だ風月のみあり」4幅対。横浜の海老塚家別邸、朝爽夕佳亭滞留中に座敷のふすまに書いた。その座敷は、近頃の空気清浄機よりも強力に浄化された、すがすがしい空気で満たされたに違いない。晩年に到達した至境を表徴する名作の一つである。

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もう一つの梧竹(篆隷5) 進化のアーカイブ

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ここしばらく「もう一つの梧竹」のテーマで篆隷書をとりあげている。梧竹はこのジャンルの中でも、いくつもの様式のレパートリをみせている。草書の場合は2・3の類型にまとめて、進化の流れを探ることも不可能ではないが、篆隷書では突然変異的な書風が目立って、連続的な流れとして捉えることはむずかしい。

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もう一つの梧竹(篆隷4)−皮・肉・骨/臨書・倣書・創作

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晩年の著作「梧竹堂書話」は「形にこめられた意(こころ)を得たなら形にはこだわらず、神(こころ)が似ていれば象(かたち)が似ないのは気にしない」といっている。両碑の共通文字について比較しても、字形はあまり似ていないものが多いが、風合い、雰囲気は巧みに取りこんでいる。下図には、比較的原典に近い形の「霊」「離」2字を示した。左が「漢・祀三公山碑」、右が「鉄舟居士賛碑陰」。

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もう一つの梧竹(篆隷3)-鉄舟居士賛碑陰

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「山岡鉄舟居士賛」碑は東京谷中の全生庵にある。撰文は鵜養徹定、書は勝海舟。


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