連綿草書 その1

人生.gif梧竹は数年間に及ぶ過渡期の沈潜工夫ののち、76歳のころには独創的な日本人の連綿草書を完成した。書の宗流王羲之の系譜を踏んで、わが上代様に開いた日本の美感をブレンドした独自の連綿草書は、はるかに明清を突き抜け、華麗な新世界を展開した。梧竹の偉大な業績の一つである。

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懸燈照清夜――過渡期の書

懸燈s.jpg梧竹先生は「十七帖のなかに行間が美しいところがある。それでもって一幅全体を構成しようと考えて連綿草書をつくった」といわれたと海老塚的傳が語った。

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ナマズの髭――超長鋒筆

翠.jpg梧竹が70歳代まで愛用したのは、並はずれて長い筆毛で、「ナマズの髭」といわれた羊毫超長鋒筆である。今回の書や前回の「鳩の詩」を書いたのもその筆だった。

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鳩の足跡――進化のターニング・ポイント

004鳩 飛.jpg明治二十七年十一月二十日、この日はぽかぽか陽気の小春日和。仙台近郊岩沼の玉泉楼に滞在中の梧竹は南の窓を開いて揮毫していた。そのとき飛びこんできた一羽の鳩。机上の肉池に降りて画仙紙の上に、朱肉の足跡を付けて跳び歩いた。昔から文字は蒼頡(ソウキツ)が鳥の足跡をみて作ったという。

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