字ハ王内史ヲ摸ス

002字模王s.jpg北京留学中の小品。単純に「六朝書」というなかれ。
梧竹はハッキリ書いている。「王羲之を勉強中です!! 」。

 

 
002字模王 新新.jpg
梧竹は六朝書家、六朝研究のため中国に渡った、などという誤認者は 意外と多い。
「六朝」は百年あまり昔、トレンディ・ファッションのキャッチ・フレーズだった。
書道史がニューモード流行史として書かれ、読まれるのは問題だ。
梧竹書進化のプロセスとしえは、ローリングとピッチングの傾斜技がポイントだ。
ローリングは中心線に対して左右への傾斜、「史」は頭を左にローリング。
ピッチングは、紙面に対して前後への傾斜、「字」は頭を前方にピッチング。


六朝筆法はすでに長崎で体得済みだった。この傾斜技は北京で潘存から得たハイテクだ。書の静謐と飛動をコントロールし、立体構成書法にとっても重要だ。
この技法は さらに展開を遂げ、王羲之草書や、わが上代様かなのローリングとピッチングのイメージをもブレンドして、精緻で華麗な連綿草書に結実、さらには晩年の象徴徴的心象表現へと昇華していく。

                                                 
字摸王内史 詩愛鄭都官  於北京書 梧竹

字は王羲之を勉強している  詩は鄭都官が大好きだ

王羲之は右軍将軍会稽内史となったので、王右軍、王内史という。鄭谷は晩唐の詩人、字は守愚。右拾遺、都官郎中に任じた。『雲台編』がある。 

 

淮上にて友人と別る          鄭谷                        
揚子江頭 楊柳の春                                
楊花 愁殺す 渡江の人                             
数声の風笛 離亭の晩                               
君は瀟湘に向かい 我は秦に向かう

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